DARK HALF3−3
「…るか、らみ嫌イ?」 ルカの発言にショックを受けてラミが瞳を潤ませている。 ……もしこのまま泣きだしたりしたらマンドラゴラの致死の声でこの食堂の中、 「ま、まさかラミの事嫌いなワケないデスヨ?ねールカ!」 怪しげな口調で喋るあたしからルカに視線を向けるラミの頭に軽く指が乗せられる。 「何故僕がラミを嫌ってると思うんだ?」 ルカは軽く溜め息を一つ吐いてティグを指差した。 「それは違う。僕は『頭の中に花を咲かせているヤツが嫌いだ』って言ったんだ。 ラミは嬉しかったのか満面の笑みを浮かべた。 「……ルカが笑った!」 思わず漏れたあたしの言葉にルカがジロッとこっちを見た。 「初めてルカの笑顔を見たんだもん。嬉しー!」 そう言われてちょっと赤くなってそっぽを向く辺りが可愛いんだよねぇ。 「これは何なんだ!?」 ルカに馬鹿とはっきりきっぱり言われたティグはその事よりも気になるのか、 「これ呼ばわりとは失礼じゃない?この子はあたし達の旅の一員なんだから」 突っ伏せたままだったユードがティグの問いに反応して顔を上げてあたしの方を見た。 「あ、その前に。さっきあたし達名乗りそこねちゃったよね?あたしはセリアよ」 気を利かせたあたしの紹介が気に食わなかったのか、ルカがじろっとあたしを見た。 「それでこの子はラミ。後は…こっちおいで」 ミルクを飲み終わってからルカの足元でおとなしく丸くなっていたソロンは 「この子はソロンよ」 ラミとソロンを交互にじろじろ見て、 「まあ、確かにこの子達は魔物よ。ラミはマンドラゴラ、ソロンはリュンクス。 二人はさっきまでの様子が嘘と思える程に険しい顔つきを見せる。 「魔物が危険だなんて言われなくても知ってるわよ。 言い返したあたしを鋭い視線で睨み付けて、ティグは頭を振った。 「馬鹿馬鹿しい!魔物を全部一緒くたにするなって? あたしのセリフにティグは顔を強張らせて一瞬硬直する。 「セリア、カビ頭って?」 空気が読めてないのか、わかっててやってるのか 「頭の中身が古くさすぎてカビまみれって意味よ!」 くすくす笑うレキにまで馬鹿にされたと感じたらしく、 「ティグ、止めなさい!」 鋭い制止の声にティグの動きがびくっと止まる。 「ユード?何故止める!」 ティグはそこで自分がいるのが食堂の中だと思い出した様で構えを解いた。 「店主、騒ぎを起こしすまない。代金はここに置いておく。釣りはいらん」 ティグは机にコインを何枚か置くと、あたし達に背中を向けた。 「さっきの提案は取り消しだ。お前達の様な奴らと短期でも道を共になどできん!」 立ち去るティグに取り残されたユードはあたしをじっと見て口を開いた。 「私もティグの意見に賛成です。魔族も魔物も危険だ。 ユードは軽く頭を振る。 「私達は根本的に考え方が違うみたいですね。 ティグの後を追って足早に去るユードの背中を見つめながら、 「二人揃ってカビ頭め!」
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