DARK HALF2部 − プロローグ






走る。

薄暗い森の中を。

逃げる。

背後に迫る獣から。

息は切れ、足はもつれ、それでも死を拒否する為に少女は走る。

逃げ惑う内に、少女は追い詰められ、逃げ場を失う。

それでも生を求め足掻く時、それは降り立った。

少女の瞳に映りしは、緑のマントを纏った銀髪の少年の後ろ姿。

少女を護り、闘う少年の後ろ姿。

軽やかな体捌き、鮮やかな剣技。

そして『鍵(キィ)』のみで発動する魔術。

危険は去り、少年は少女へ顔を向ける。

その顔を正面から見、少女は気付いた。


紅い右目と金の左目。


ダークハーフの証を持つ少年。

驚愕する少女に、少年は無事を喜び、笑顔を浮かべる。

その笑顔に、少女は不思議な既視感を覚えた。

初めて会うはずなのに、懐かしく感じ、切なくなる笑顔。

少女は少年に旅の同行を請い、少年はそれを受ける。

そして二人の旅が始まった。



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