深海定点観測
憮然と黙り込む俺など全く気にせず、木々那教授は満足げに頷いた。 木々那教授はふっと丙号の外、深海の暗闇を見つめる。 「あのね、人間の長い歴史で考えると宇宙って本格的に注目されだしたのはつい最近だと思うの。 木々那教授の言葉に、鴫教授は深々とため息をつく。 「…宗教的な問題もあるでしょうね。 「そんなに最近なんですか!?」 俺は思わず呆れた声を出してしまう。 そんな俺の様子に、木々那教授は肩をすくめ苦笑いしてみせる。 「あのね、進化論を唱えたダーヴィンなんて今もまだ異端者扱いなんだよ黒江チャン。 「はぁ…頑固っていうか、凄いですね」 呆れるを通り越し、むしろ俺は感心してしまう。 「別に宗教を自体を否定する気は無いんだけどね〜あ、話が物っ凄く逸れてるね! そう言いつつ、木々那教授は不可解な動きをする。何か、こう箱を動かす様な…。 「木々那教授?一体何を…」 「あっちに置いといた話を、こっちに戻すってポーズに決まってるっしょ、黒江チャンっ!」 決まってない、決まってないよ!木々那教授。この人の言動は何でこうも意味不明なんだろう。 呆れるを通り越し、むしろ俺は感心…する訳は勿論無い。皆無である。 「で、先程の話が一体深海生物に何の関係が有るんですか……?」 鴫教授が困った様に木々那教授に問いかける。 「大有り、なんだよ鴫教授っ!」 にっこりと嬉しそうに破顔する彼女に、俺と鴫教授は再び怪訝な顔を見合わせるのだった。 何か段々かけ離れていってるような気がするんですけど……木々那教授?
|
前へ 次へ |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||